皆さんこんにちは、鈴木智成(名もなき医師)です🧑⚕️大病院に行くと待ち時間が多くて腹が立ったことはありませんか?
我々医療従事者も患者を待たせたくて待たせているわけではありませんし、出来たら予約時間内に診察したいと考えています。
しかしどうしても待ち時間が発生してしまうのには理由が存在するのです🙇♂️

僕自身経験があるのは救急科と整形外科の外来診察ですのでその2点について解説していきたいと思います✨
救急科
重症患者から優先的にみていく必要がある
救急外来ではいつもたくさんの患者がいて、待ち時間がたくさんあると思います。病院にもよりますが、僕の働いている病院では夜間帯の時間は歩いてくる患者と救急車で搬送されてくる患者の両方を同じ医師が担当しています🙄
そして救急では命の危険のある人もたくさん診ていますので、当然ながら重症度の高い患者から診察と治療を行う必要があります。
来院した順番に診察して重症患者さんが死んでしまってはいけませんからね💦
更に言うと重症患者の対応には必然的に処置と治療に人手と時間が必要です。そのため軽症の患者には待って頂くことになってしまうというわけです🙇♂️
救急車が多すぎる
病院にもよると思いますが救急車で来る患者が多く、基本的には外来に歩いて来られる患者よりも救急車の方が重症度が高いことが多いです。

そのため救急車の患者に時間を取られることが多く、外来の患者は待ち時間が長くなりやすいです。
また救急車は時間帯によってはあまり来なかったり、かなり短時間に10台近く集中することもあるので外来患者の待ち時間にもムラが出ることが多いです。
待ち時間が比較的少なく済むのは夜中3時くらいですが、待ち時間が少ないからといってその時間を狙うのはオススメできません⚠️
理由は医師は朝から夜通し働いているので3時くらいになると集中力が切れてイライラしている人も多く、また夜中は出来る検査もある程度限られます。
夜中3時に行っても集中力の途切れた医師は誤診の可能性も上がるでしょうし、重症でなければまた後日専門科を受診してくださいと言われることも多いと思います🫡
研修医が診察している場合がある
救急科とは命に直結する患者を診察する科であり、全ての医師にとって必要なスキルです。なので学生から医師になったばかりの研修医が診察を担当している病院も多いです😳
研修医は診察に慣れておらず鑑別疾患を挙げたりするのにも時間がかかります。
研修医は基本的には患者の治療方針の最終的な決定をすることはありませんので上級医に方針を相談する必要があります。
患者の不利益には出来る限りならないように配慮されているはずですが、相談のためより多くの時間を必要とします。
また研修医だけでなく、救急科が診断を行った後の治療は専門科に相談というケースも多々あります。
相談先の科が忙しいとその間待つこともあります。
患者が帰宅や入院するまでの時間よりも救急患者さん達が来院するスピードの方が早ければ、患者が溢れていくことになります💦
整形外科
予約患者以外も診ている
名もなき医師が整形外科の外来をするようになって感じたことは患者が多すぎるということです。
病院にもよると思いますが、僕の働いている病院は飛び入りの患者さんがきても待ってもらえるなら診察することになっています。
30分の予約枠に6人くらい診ることもあります。クリニック、診療所では診察室をいくつも使用したりと色々な工夫をされているところが多いと思います。
しかし病院では1人の医師に診察室は一つですし、整形外科の患者さんは足の悪い高齢者の方も多いので診察室の出入りにも時間がかかります💦
1人1人の診察に時間がかかるところにさらに救急車や飛び入り外来から患者の相談がきたりすると時間が後ろ倒しになってしまいます。
処置の時間がある
内科の外来と違って整形外科の外来では処置に時間がかかります。
手術後の傷の観察、抜糸、ギプス固定などなどです。診断のためのエコー検査も行いますが、こちらも時間を要します。
僕自身は出来る限り迅速に動くようにしていますが、処置に時間がかかる点で他の科の診療よりも時間がかかりやすいかと思います😳
事務作業に時間がかかる
最後は事務作業に時間がかかることです。入院や手術になる患者さんは電子カルテ上で入院や手術の入力をする必要があります。
入院するにあたっては患者の情報を集めないといけないですし、全身麻酔で手術する患者は全身検査も必要になります。
手続きを進めないとその先が進まないのです😑
この時間が1番患者側からすると『早く次の患者呼べよ』って思う瞬間かもしれません💦
後は入院中の患者対応でも時間をとられることがたまにあるので何かと待ち時間が発生する次第です🙇♂️
待ち時間を減らすための方法

ここまで病院の外来の待ち時間が長くなってしまう様々な要因をお伝えしました。
あまりに多くて言い訳みたいに聞こえてしまったかもしれません🙇♂️
しかし繰り返しますが、病院や医師達も懸命に待ち時間の出ないように努力はしています。
救急受診は急に受診する場合が多く事前に準備が難しいとは思いますが、一般外来では準備できる点がいくつかありますのでご紹介します。
病院側の要因は変えられませんが、ここからは皆さんの工夫次第で待ち時間を減らす方法をお伝えします㊙️
受診前の準備
1.紹介状と画像CDがある場合は持参
紹介状を忘れる人はあまりいませんが、画像CDを忘れる方がたまにいらっしゃいます。CDがあると再検査をしてお金を再度払うことを予防できます。
またCT検査では再度撮像すると被曝してしまうので画像CDがある場合はしっかりと持参しましょう✨
2.病歴をまとめておく
とめどなく話をする人がいますが、世間話などこちらとしては必要ない情報のことも多いです。そういった方は医師からの印象も悪くなってしまうので結果的に損をしてしまいます💦
自分なりでいいので端的に病気の経過をまとめておきましょう。30秒程度でまとめて頂けると後は足りない情報は医師から問診されますのでそれに答える形でOKです‼️
3.薬手帳、既往歴を把握しておく
手術するにあたって血液をサラサラにする薬を飲んでいるかは重要なことです。場合によっては休薬期間も必要です😌
他にも重要な薬はいくつかあるのでお薬手帳は持参して下さい。
またMRIの検査をする際に脳動脈瘤のクリップや心臓のペースメーカー、植え込み型除細動器、また人工内耳や整形外科のインプラントが入っているかなどを質問されます。
自分またはご家族の状態を出来るだけ事前に把握しておくようにしましょう😌
当日に出来ること
1.席を外す時は受付に言ってから
呼び込みをしても入って来ない患者さんが1日に2人くらいいらっしゃいます。
電話やトイレなど人それぞれ事情はあると思うのですが、呼び込みをしても入ってこられない場合は次の方を呼びます。
忙しい時はこちらも忘れてしまう場合があるので、席を外したり戻ってきた時には受付に声をかけて頂ければ医師にも伝わると思います😌
2.相談する症状は多くても二つまで
一回の受診で相談する内容は多くても二つまでにして下さい。あれもこれも解決したい!!というのは不可能です。
一人一人に割ける時間は限られていますし、4つも5つも相談したとしてこちらが説明したとして覚えていられるのでしょうか🤔
多くの人は1つか2つ理解するのでいっぱいだと思います🤣
たくさんの症状を忙しい外来で言われると不機嫌になる医師が多いと思いますのでおすすめしません🙅
3.着脱しやすい服装
こちらは特に整形外科ではという話になるのですが、痛いところは実際に触診したり、身体所見をとったり、正確な圧痛点を確認する必要があります。
その時に肩を出しにくい服や分厚く着込んで腰を出すのに時間がかかったりすると診察時間をロスしてしまいます💦
大した時間ではないと思うかもしれませんが、医師側は時間がかかっているように感じるとあなたの診察自体を早く終わらす方に動く可能性があります。
逆にスムーズに患部を確認出来ると心理的にも気持ちよく検査してくれることでしょう🧑⚕️
次回以降の予約の際に
1.空いている時間帯を聞く
仕事や用事等でその時間しか都合がつかないという人もいると思いますが、病院には比較的空いている時間も存在します。
担当医も空いている時間を聞かれればその時間に案内してくれるはずです。
誰だって忙しい時間帯に予約患者を増やしたくないですし、空いている時に来てくれた方が慌てなくてすむからです✌️
2.院外処方を検討する
薬の院内処方は待ち時間が長くなる可能性が高いです。特に午前中はどの病院も受診患者数も多いのでそれだけ待つ時間も長くなります💦
ただし院外処方になると、処方箋料・調剤基本料・薬学管理料などが上乗せされてしまうので自己負担ベースで数百円程度高くなる可能性があります😳
薬価や効果自体は院外処方でも変わらないので、待ち時間が気にならない人や午後など空いている時間帯に受診されている方は院内処方でもいいかもしれません。
3.次に気になる症状を相談しておく
最後に急ぎではないけど、少し気になっている症状があれば相談してみるのもいいでしょう。
ちょっとしたことならそのまま答えてくれるかもしれませんし、必要であれば次回に検査を入れてくれると思います。
『今日じゃなくてもいいので〜』という枕詞をつけると忙しい医師への配慮がある言葉として効果的だと思いますよ🤣
まとめ
今回は救急科と整形外科の外来を経験した名もなき医師が病院で待ち時間が発生してしまう理由と患者視点に立って待ち時間を減らす方法をお伝えしました。
待ち時間が無駄だ嫌だという方は試せるところから是非試してみてください🎶
参考文献:なし
最終更新日:2025年9月13日
本記事の内容は医療専門職としての知見に基づいていますが、すべての読者に当てはまるわけではありません。個別の診断や治療は、直接の診察に基づいて行われるべきです。
鈴木智成(名もなき医師):日本救急医学会専門医 現在は整形外科に所属し救急と両立しながら奮闘中🔥
所属学会:日本救急医学会 日本整形外科学会 日本整形外傷学会