定期健診は受けるべき?-健康診断と人間ドックの違いとは?-

予防

皆さんこんにちは名もなき医師です🧑‍⚕️今回は定期健診についてです。

定期健診、定期検診、人間ドックなど用語は色々ありますが、受けておいた方がいいのかどうかわからない、受けたけどどうしたらいいのかわからないという人もいるのではないでしょうか?

健康診断って受けるの怖いですよね‼️

健康診断の結果を見ている人のイラスト(ショック)

『怖い病気があったらどうしよう』、『去年より健康状態が悪くなっている気がする』人それぞれ感じていることは様々でしょう😌

健康診断や人間ドックでわかることやオススメの活用法などご紹介出来たらと思います✨

定期健診

定期健診は正式には定期健診診断の略称でその名の通り、定期的に行う健康診断のことです。

学校や会社などで定期的に行われている健康診断のことを指します。

定期健診の概要

定期健診の目的は病気の早期発見と予防になります‼️

会社や職種によって多少異なるものの、以下に一般的な項目を列挙します。

問診 診察 身体測定 血圧測定 尿検査 血液検査 心電図 胸部レントゲン 視力・聴力検査

普段意識している人は少ないかもしれないですが結構色々項目がありますよね😌

定期健診でわかるのは主には生活習慣病が隠れていないかということになります!後は簡易なスクリーニング検査ですので人間ドックほどは詳しい検査ではありません。

定期健診の活用法

定期健診を受けて結果がどうであったにしろ、ただ受けただけでは時間を費やしただけで終わってしまいます!

ここでは定期健診の活用法をお伝えします✨

1異常値を放置しない

まずは異常時を放置しないことです。生活習慣病は一つの項目からどんどん連鎖で増悪していきます😳1項目のみの異常でも2、3項目と進んでいき気づいた時にはとんでもないことになっているかもしれません😱

もう一度言います、定期健診の目的は早期発見と早期予防です。これをしっかりと意識しましょう😌

2再検査項目は必ず受ける

「ちょっと数値が高いだけだからまあいっか」としないでください。再検査項目があった時の模範行動はその項目の生活習慣を短期間でもいいので正して再検査を受けることです。そして結果如何に関わらず、正した生活習慣を維持するようにしましょう🎶

3前回の自分の結果と比較する

これは知らない人が多いかもしれませんが、基準値とは健常人(病気でない人)の95%が入る範囲です。

つまり基準値内で病気の人もいれば、基準値外でも健康な人もいるのです。なので僕は正常値という言い方は使わず、基準値という言い方をするようにしています。

何が言いたいかというと、基準値内で安心するのではなく、前回より結果が悪くなっていた場合は意識して注意した方がいいということです。

例えば血圧は120/80mmHg未満が至適血圧、130/80mmHg未満が正常高値血圧とされています。今まで上の血圧が100mmHgだったのに今年は118mmHgになっていたら要注意ということです⚠️

自分の中で前回とどうだったかを意識し値が悪くなっている場合は健康に気を配りましょう✌️血圧が気になる人はこちらをご覧ください。高血圧症を予防しよう!

有効活用の具体例

実際に僕が経験した症例を提示しましょう。50代前半のBMI26の肥満女性で血液検査でASTとALTが基準値の1.5倍から2.0倍程度の脂肪肝でした。

肥満は心血管病(心筋梗塞や脳梗塞)のリスクで、脂肪肝も進行していくと脂肪肝炎、行く末は肝硬変になり不可逆になってしまいます😣

そういったリスクを説明しその方は心を入れ替え、半年ほどかけてBMIは23、ASTとALTは基準値内まで戻りました。結果が伴うと僕の方まで嬉しくなるのは不思議ですね😊

ダイエットのイラスト「ビフォーアフター」

その方は数年経った今でも食事に気を遣っており健康を維持しておられます。肥満を改善したい人は是非こちらをご覧ください。メタボ(肥満)になるな!

定期検診

定期健診と読み方は同じで漢字が一文字違うだけの定期検診ですが、こちらも目的はほぼ同じで病気の早期発見や予防を目的としています。では何が違うのでしょうか?

定期健診が職場内や学校で行われるのに対して定期検診は定期的に医療機関で行う検査のことを指します。法的義務のある健診とは異なり、個人が自分の意思で受けるものが多いです。

しかし正直やや曖昧な用語なので厳密な定義はなく、定期健診や人間ドックを総称して定期検診と呼ぶこともありますし、定期健診や人間ドックの中間的な意味合いで使用されることもあります💦

有名な定期検診

検診と名がついて有名なのはがん検診と歯科検診です。がん検診は主に40歳以上が対象ですが子宮頸がん検診のみ20歳以上の女性が対象となっています。今回は詳しい説明はここでは割愛します。

歯科検診は僕も3ヶ月おきに受けるようにしています。目的は虫歯の早期発見、歯周病の予防です。いつも見せてもらうとびっくりするくらい歯石が溜まっています😳

ちゃんと歯を磨いて歯間ブラシもしているのに3ヶ月でこんなにも溜まっているのかというほどです。歯医者が嫌いという人は多いと思いますが、絶対に歯科検診は受けておいた方が後悔しないと思います。

将来的に歯がないとまず食の楽しみがなくなる、栄養状態が悪くなる、口腔内からの感染症が増えるといったリスクがあります。そしてさらに歯が少ない人は認知症になるリスクが上昇すると言われています。

18件のコホート研究を調査した研究で歯の喪失はアルツハイマー型認知症のリスクを12%増加させ、脳血管認知症のリスクを25%も増加させるという結果だったのです🦷https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10150074/?utm_source=chatgpt.com

歯を失うと噛むことによる脳への刺激の減少、栄養状態の悪化、ビタミンD不足などが原因として挙げられています。皆さんも歯は大切にしてくださいね🫡

人間ドック

最後に人間ドックです。皆さんは人間ドックに対してどんなイメージがありますか?「健康意識が高い人が受けるもの」「お金持ちが受ける検査」などといった感じでしょうか?

人間ドックの概要

人間ドックとは健康診断よりも詳細で総合的な検査を行う任意の健康診断パッケージで自費で行われるものです。目的に関しては生活習慣病やがん、無症候性疾患を早期発見、予防することです。

予防という観点においては今までと同様ですが、今までとは項目が異なります。

例えば内視鏡検査、腹部エコー、肺機能検査、腫瘍マーカー、骨密度、脳のCTやMRI、女性ならマンモグラフィなどです。さらに会社負担ではなく、自費負担(会社の補助がある場合もあります)が主です🙄

相場は5万円前後ですが、脳のMRIなどを含めると10万円以上になることもあります。中には全身PET-CTや心臓CTなどを含めた2泊3日で100万円の人間ドックも存在するようでお金持ちの友人が受けていました🤣

人間ドックの活用法

人間ドックのがん検診部分はエビデンスがありある程度高齢の人は受けてもいいかもしれません。人間ドックは日本独自のもので世界的にもエビデンスがあまりありません😌

かかる金額が高いので富裕層で安心したいという人は検査を受けてもいいかもしれません。しかし富裕層かつ健康意識が高い人の病気の有病率は高くありません。そうなると問題になるのは偽陽性率が上がるということです。

つまり健常なのに検査では陽性と出てしまい不安だけ煽られる可能性があるということです。

なので人間ドックのに向いている人はお金と時間があって自分が健康であることに安心したいという人向けです。しかし個人的には健康な人にPET-CTまでして何を見るんだ?🤣という感覚です。

結論

定期健診をうまく活用しましょう!

結論お金を払わなくて受けられる定期健診で十分です。定期健診のために生活習慣を整える、定期健診で悪かった項目の修正をする。これらがとても大切です✨

健康診断の結果を見ている人のイラスト(笑顔)

エビデンスがあるところには健康保険であったり、会社からであったりと何らかの補助が出ます。自由診療や自費診療はエビデンスがないから補助が出ないのです。

健診で効果が得られる人は検査に引っかかったけど改心して健康に復帰できる人だけです!

元々健康意識が高い人は自分で健康を維持できますし、健康意識の低く健診を受けない人や受けても改心しない人には定期健診は意味がありません😌

このブログでは検査に引っかかったけど改心したい!と思える人が増えるように頑張っています🔥これからも一緒に健康を目指しましょう!!

本記事の内容は医療専門職としての知見に基づいていますが、すべての読者に当てはまるわけではありません。個別の診断や治療は、直接の診察に基づいて行われるべきです。

名もなき医師:日本救急医学会専門医 現在は整形外科に所属し救急と両立しながら奮闘中🔥

所属学会:日本救急医学会 日本整形外科学会 日本整形外傷学会

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