飲酒運転の自損事故で医療費は通常の約7倍!? ―保険が効かない医療とは?

健康

皆さんこんにちは、名もなき医師です🧑‍⚕️今回は健康保険の適用外になるととんでもなく高い医療費を請求されてしまう!というお話をしようと思います。

通常であれば我々日本国民は病院で治療してもらった時には健康保険が適用されます。そしてあまりにも高額なら高額療養費制度という所得に応じて月々の限度額が決まる制度があります。一般的な所得であれば多くても月々10万円以内で済むという神がかった制度です。

しかし中には健康保険が適用されないケースが存在します。そうなるとどうなるか学んでいきましょう😌

やってはいけない飲酒運転

皆さん飲酒運転がダメだという認識はありますか?😳厚生労働省の発表では飲酒運転事故の死亡率は飲酒なしの事故と比較して7.6倍も高いそうです💦

昔は飲酒運転が許容されていた時代もありましたが、今は厳しく取り締まられています😠

事故を起こさなければそれで良いと言うわけではなく発覚すると以下のように罰せられます。

刑事罰・・・最高で懲役5年or罰金100万円

行政処分・・・免許停止or取消、欠格期間(運転免許の再取得が出来ない期間)最大10年

さらに健康保険が使用できないので、多額の医療費がかかります。そして万が一にも相手を巻き込んでしまった場合、被害者には自賠責保険で一旦お金が支払われますが、飲酒運転の加害者に後で自賠責保険会社からお金が全額請求されることになります😨

つまり被害者の医療費の全額負担をしなければならないということです。さらに相手から損害賠償を求められれば人生終了と言っても過言では無いでしょう😭

実際にあったケース

なぜこのような話をしているかと言うと、飲酒運転による交通事故って救急車でよく運ばれてくるんですよね🤔しかも未成年者の割合も結構多いです。

守秘義務の観点から少し話を変えて記載しますが、僕が経験した一例をお話します。

高校生が飲酒した状態で原付を運転していて自損事故を起こして複数箇所骨折してしまいました。さてこの場合治療費はどうなるのでしょうか?

健康保険が適用されないので全額自己負担となってしまいます。さらに僕が勤めている病院では200%請求(通常は3割負担なので200%負担なら約7倍)となっています。高額医療制度も使えないので外来での検査費用、入院費用、手術費用全て合わせると総額200万円越えとなってしまいました。

200万円あれば長期の海外旅行や中古車が購入できるレベルですよね🥺当然ながらお母様はかなり意気消沈していました。

このような事例の他に健康保険が使用できないケースとしては以下のような場合があります。

1故意の犯罪行為・・・飲酒/無免許運転、傷害事件、自殺未遂(これに関しては僕が勤務する病院では健康保険で取り扱っています😳)

2労災事故・・・これは労災保険が優先適応されますので費用はかかりません

3美容・予防医療・・・美容整形、シミ・ほくろ除去、歯の矯正、脱毛、予防接種

4先進医療・・・厚生労働省が未承認の最先端医療

5出産・・・出生育児一時金で支払いましょう。ただし帝王切開や異常分娩は健康保険になります

6保険証の無効・未加入時・・・保険料滞納、資格喪失している場合

細かいケースは他にもあるかもしれませんが、大きなところでは上記の6つかと思います。

大まかに言うと悪いことをしてしまったor病気ではないこと、に対しては自分のお金でしてくださいということのようです。

200%請求は合法?

これで飲酒運転による交通事故を起こしてしまうと健康保険が適用されないというのはわかったと思います。しかしだからといって200%、つまり保険診療の2倍の金額を額請されるというのは合法なことなのでしょうか?😳

飲酒運転のイラスト

健康保険法第116条に基づき、被保険者が故意または重大な過失により負傷した時は、その療養の給付を行わないことが出来るんです😌

飲酒運転や無免許運転などによる事故は重大な過失に相当します。よって健康保険が適用外となるので自由診療となります。

自由診療では価格に上限がありません。なので自由診療では病院や診療所などの医療機関が金額を自由に設定出来ます。僕自身も脱毛に通っていますがかなり高いですね🤣

もちろん患者家族への充分な説明は必要ですが、200%請求は違法ではありません。

僕が勤務している病院の周辺の病院も200%の病院が多いようです。かなり上の先生に聞くと昔は300%と設定している病院もあったそうです💦

115%というのが僕が知る限りでは一番安い病院でしたが、中には100%で診療してくれる医療機関もあるのかもしれませんね。

皆さんくれぐれも飲酒運転はしないようにしましょう⚠️

まとめ

今回は飲酒運転で事故してしまうとどうなるのかについてでした。病気の予防ではありませんが、飲酒運転の事故率は通常よりかなり高いですので怪我の予防として捉えていただけると幸いです。

飲酒運転では激しい怪我や死亡リスクが高くなるだけでなくお金まで高くつくというのは皆さんにも知っておいて欲しい事実だったので解説しました。

飲酒自体も身体には良くありませんので飲酒減らしたいな〜という方はこちらの記事も参考にされてください!ちょっとならお酒は健康に良いはウソ?

これからも色々と予防して人生を充実させていきましょう😊

本記事の内容は医療専門職としての知見に基づいていますが、すべての読者に当てはまるわけではありません。個別の診断や治療は、直接の診察に基づいて行われるべきです。

名もなき医師:日本救急医学会専門医 現在は整形外科に所属し救急と両立しながら奮闘中🔥

所属学会:日本救急医学会 日本整形外科学会 日本整形外傷学会

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