病気になった時の心の対処法

心理学

こんにちは、名もなき医師です🧑‍⚕️この間僕の友人Aさんがウイルス性髄膜炎という病気で入院しました。

普段はものすごくパワフルでガッツのあるAさんが入院した時は元気がなく、気分も相当落ち込んでいるようでした。

皆さんも病気で不安になったことはありませんか?😳

うつ病の男性のイラスト

Aさんが髄膜炎で入院した時の心理状態について教えてくれたので医師として患者の心理やその対処法について詳しく解説していこうと思います。

病気について知らないので不安

医療従事者でない方は病気にかかると、とにかくわからないことだらけで不安になります💦

例えばAさんは髄膜炎でしたが、頭痛と嘔吐と気分不良というのが症状でした。

Aさんは病院で医師から簡単な説明は聞いたものの詳しいことは分からず、僕に聞くまではかなり心配で困っていたとのことでした😳

未知の不安

さてあなたが病院にきて診断を受けて治療について説明を受けたとします。医師はいつも通り説明しますが、患者にとっては初めてのことです😳

説明を受けたとしても半分も理解出来ないのは当たり前のことです。

医師が優しければわからないことを質問することができますが、怖い医師や専門用語を使うような医師であれば質問もためらわれるでしょう💦

人間の脳は予測できないことを危険と察知するようになっています。未知の状態は脳の扁桃体が警戒モードに入るのでリスクを過剰に見積もってしまうのです。

初めて飛行機に乗る時や初めての夜道を歩いたり、初めてするプレゼンが怖いのと同じです😌

そもそも病気の症状でしんどいのに未知の不安で患者はかつてない不安に見舞われることになります🫨

予測できない不安

また病気になった時、どれくらい悪いのか、どれくらいで治るのか、完璧に治るのかなど色々わからないことがあると思います。また社会人であればどれくらいで仕事に戻れるのか、競技者であればどれくらいで競技復帰できるのかなどわからないことがたくさんあると思います。

そのどれもが予想できないので不確実性を感じて不安を増幅させます。

心を病む人のイラスト(男性)

また人間は自分でコントロールできる状況を好みます。のび太がお母さんに宿題をやりなさいと言われて「今やろうと思ってたのに!」と怒っているのは自分で自分のことをコントロール出来ないことに強いストレスを感じているからです🙄

病気は予期しないタイミングでやってくるので自分にはどうにも出来ない病気について不安が膨らむことになります。

最悪のシナリオ思考

人間は最悪の事態を想定してしまう生き物です。「がんだったらどうしよう」「死んでしまう病気だったらどうしよう」などという考えに至ってしまうのは当然の反応です😌

医師である僕でさえ低血糖になった時に目が見えにくくなってかなり焦ったことがあります💦以前の記事ですがよかったら参考にしてください。身体と心は一緒に落ちる⁈

周りが知らない人ばかりなので不安

Aさんに聞いた話では病院に入院している時に周りの看護師さんはみんな知らない人で、忙しいそうであまり話も聞いてくれないので余計に不安になったということでした。

たまたま僕が勤務している病院だったのでAさんのところに毎日少しだけですが会いに行っていました。

病室で他愛もない会話をしていると「来てくれるだけでめちゃくちゃテンションが上がった😆」「毎日来てくれるのが楽しみだった」「いるだけで安心できた☺️」と言って喜んでくれました。

ただでさえ病気で不安になっているところ周囲の環境も普段と一変するので怖い気持ちになる人は多いです。周囲の人・場所についても自分が慣れない初めての環境なのでこれに関しても「未知の不安」が働きます😳

なので知っている人が来てくれるお見舞いというのは皆さんが思っている以上に効果を発揮します🔥

病気になった時の心の対処法3選

ではここからは病気になってしまった時の不安にどう立ち向かえばいいかを解説していきます!

病に対する不安は多かれ少なかれ絶対に生じるものなのであなたの弱さではありません。不安とうまく付き合うイメージが大切です。

正しい情報を得る

予測出来ないことや、未知のことに人間は不安を感じやすいという話をしました。

なので医師や信頼出来る情報源から正しい情報や知識を得ると不安はかなり解消されます✨

医師は1日何回も回診に来てくれないと思いますので、聞きたいことは自分の中でまとめておきましょう。

最近はAIがかなり優秀なので質問してみると期待した答えが返ってくるかもしれません🎶

しかしたまに間違う時もありますし、真偽の判断がつかないと思いますので、自分でも知識を入れつつ最後は経験のある医師に聞くのがいいでしょう😌

信頼出来る人に話す

病気の不安は信頼出来る人に話すことで和らぐことが心理学的に示されています。具体的には以下のようなメリットがあります。

かがんでお年寄りと話す看護師のイラスト(女性)

1.感情のラベリング効果

感情にラベルを貼る、つまり感情に名前をつける(イライラする⇨焦りだ、モヤモヤする⇨これは悲しみだ等)だけで扁桃体の過剰反応が抑制されて気分が落ち着きます。

病気になった時「治るんだろうか?」と誰しもが不安を抱えると思います。その時に「これは未来が予測できないことへの不安だな」と声に出してみてください✨

そうすると感情を深く理解することができ、適切に対処しやすくなります。

2.共感需要による安心感

信頼できる相手に自分の不安な感情を理解してもらえると脳内でオキシトシンが分泌され、恐怖が緩和され心が落ち着きます😌そして共感してもらえることで孤独感も軽くなります。

さらに話すときに言語化するので感情のラベリング効果も同時に得られています。Aさんは僕に病状を話すことで正しい情報を得ること、感情のラベリング効果、共感需要による安心感を同時に得られていたので安心が得られたというわけですね😊

3.客観的な視点がもてる

人は話す時に自分の思考を言語化するときに考えをまとめようとするはずです。さらに相手の反応も得られるので外からの視点が得られます。

1人では悪い方悪い方に考えてしまいがちですが、話した相手から体験談が得られるかもしれませんし新たな視点も持てると思います。

最悪のシナリオにとらわれない

最後は最悪のシナリオにとらわれないことです。脳は最悪を想像すると扁桃体が過剰に働き、恐怖や不安が膨らんでしまいます😱

実際に大したことのない病気でも「がんだったらどうしよう」「このままずっと治らない病気では?」「死んでしまうのではないか?」と深く考え込んでしまう患者さんはたくさんいらっしゃいます。

人間としてそういった反応になることは仕方のないことではあるのですが、必要以上に症状に敏感になり、不安がどんどん膨らみ負のスパイラルに陥る人も少なくないです。

そう言った方にアドバイス!

ほとんどの病気は皆さんが思ったほど深刻ではありません😉

もちろん重症な病気も世の中には数多く存在します。ただ最悪なことばかりに目を向けても得られることは何もないのです😌

冷静に病気に対して立ち向かうことがこれからの皆さんの未来に必要な力です🔥

まとめ

今回は病気になった人が陥る不安やそれに立ち向かう思考法を解説しました。最後にAさんが退院の時に僕に言ってくれた言葉をお伝えします。

「名もなき医師🧑‍⚕️がお見舞い(回診のつもりでしたが🤣)に来てくれたおかげでとっても元気が出たんやで☺️ものすごいストレスが溜まってたから来てくれた時はほんまに神様に見えたんや🤣」

ここまで言ってもらえるなんて僕も嬉しいですがこれからも患者やみなさんのために頑張ろうと思えました❤️‍🔥今日もありがとうございました。

本記事の内容は医療専門職としての知見に基づいていますが、すべての読者に当てはまるわけではありません。個別の診断や治療は、直接の診察に基づいて行われるべきです。

名もなき医師:日本救急医学会専門医 現在は整形外科に所属し救急と両立しながら奮闘中🔥

所属学会:日本救急医学会 日本整形外科学会 日本整形外傷学会

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