脳卒中を防ぐ習慣5選-簡単に出来る予防法

予防

皆さんこんにちは名もなき医師です。今回のテーマは脳卒中です。

「昨日まで元気だったお父さんが急に倒れて死んでしまった」というような話を聞いたことはありませんか?😳

そんなドラマみたいなこと起こるかいな、と思われるかもしれませんが実際に救急をしているとわりとよく遭遇することなのです。

死亡までいかなくても半身麻痺や呂律が回らないといった症状で救急搬送されてくる患者さんは後を立ちません🙄

今回はそんな怖い病気である脳卒中を2023年改訂の脳卒中診療ガイドライン2021(https://www.jsts.gr.jp/img/guideline2021_kaitei2023.pdf)を参考にしながら解説していきたいと思います✌️

少し長いので結論だけ先に知りたいという人は名もなき医師おすすめ簡単に出来る脳卒中を防ぐ習慣5選まで飛ばしてください!

脳卒中って何?危険因子は?

脳卒中とは脳血管の障害によって突然発症する、脳の局所的あるいは全体的な機能障害のことです。

脳卒中にはどんな分類がある?

1脳梗塞

脳梗塞とは脳の血管が閉塞し、脳細胞への血流がなくなり壊死してしまう病気です。不整脈によるもの、アテローム性(動脈硬化)、後は小さい血管が詰まるラクナ梗塞というのがあります。

症状を起こさないだけで小さい脳梗塞は高齢者であればMRIを取ってみるとパラパラとした脳梗塞像が散見されるのは割と良くあることです😌

言葉が上手く出てこない人のイラスト(FAST)

半身麻痺や呂律困難、失語などが多い症状です。

2脳出血

脳実質内(脳内と捉えてもらっていいです)に出血が起こる病気です。主に高血圧によるものが多いです。こちらも半身麻痺、嘔吐、失語などが多い症状です。

3くも膜下出血

くも膜下出血は脳動脈瘤の破裂でくも膜下腔という脳表のスペースに出血が生じる病気です。動脈瘤の破裂によって起こり、時に外傷でも生じることがあります。

内因性では今までで経験したことのない程の激しい頭痛が特徴で、ひどいものだと意識障害、けいれんを伴います。

脳卒中の危険因子

脳卒中はどれも発症すると危険な病気です。脳卒中は日本の死因の第4位であり、くも膜下出血、脳出血、脳梗塞の順に死亡率が高いです😱さらに死亡には至らずとも要介護状態になる可能性が高いのも特徴です!

老々介護のイラスト

それでは脳卒中の危険因子をガイドラインを参考にしながら一気に見ていきましょう😄

1高血圧症

脳卒中発症予防のため高血圧患者では高圧治療を行うよう勧められる(推奨度A エビデンスレベル高)

高血圧は脳卒中の最大の危険因子なんです😳血圧が高いほど脳卒中の発症率が高くなります。高血圧に関しては全世界でたくさんの研究が行われた結果、75歳未満の健康な人の血圧の目標値は130/80mmHg未満となっています。

脳梗塞で搬送されてきた患者さんの上の血圧は軒並み200mmHgを超えています💦これは脳への血流を保つために代償的に高くなる反応ですが、血圧が高い人に発症しやすいのは間違いありません。高血圧だけと症状がないからといって放置している人は気をつけましょう⚠️

高血圧の予防方法のリンクを載せておきます。高血圧症を予防しよう!

2糖尿病

2型糖尿病では、脳卒中を含めた新血管イベントの抑制に食事療法、運動療法と合わせて薬物治療を行うように勧められる(推奨度A エビデンスレベル高)

2型糖尿病では、血圧や脂質異常症などの心血管リスク因子の厳格な管理が勧められる(推奨度A エビデンスレベル高)

たくさんのメタ解析により糖尿病は脳卒中のリスク因子であることが確立しています。一万人ほどの2型糖尿病患者を対象にしたコホート研究では、良質な食事、禁煙、運動療法を守った群では、守らなかった群と比較して脳卒中を含めた心血管イベントの発症率、死亡率が低かったことがわかっています。

糖尿病のある人は血圧や脂質異常症などの他のリスク因子にも注意を払わなければいけません⚠️

糖尿病の人は脳梗塞だけでなく、心筋梗塞や感染症、末梢血管閉塞など他にも様々な合併症があります。実際の印象としても脳卒中患者さんでは糖尿病の薬を内服している人が多く、特に血管が詰まる病態である脳梗塞は多いと思います🤔

こちらもよろしければ参考にしてください。糖尿病を予防しよう!

3脂質異常症

脂質異常症患者にはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)をターゲットとした、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)の投与が勧められる(推奨度A エビデンスレベル高)

日本人を研究とした研究では、総コレステロール値とアテローム血栓性脳梗塞の発症リスクに相関関係があるとされています。

しかしアテローム血栓性脳梗塞以外の病型とは関連が弱いともされています😳リスクを減らすには薬の投与でコントロールと記載されており、他のリスク因子の項目に目を向けてもいいかもしれませんね🫡

一応脂質異常症もリンク載せておきます。脂質異常症を予防しよう

4心疾患

心房細動という不整脈が大きな危険因子となります。

心房細動は心房という心臓の部屋がピクピクとしか動かないので血液の循環が滞り、血栓という血の塊が心臓の中に出来やすい状態です。

これが血流に乗って脳の血管に飛んでいってしまうと心原性脳梗塞となり、かなり重篤な後遺症を残すことが多いです💦

心房細動は高血圧などの生活習慣が原因のことが多く、動悸や息切れを自覚したら医療機関を受診しましょう😳

なってしまったら脳梗塞を予防するには血液をさらさらにする薬を飲まなければなりません。

心臓に負荷をかけないために普段から生活習慣に気を配りましょう♪

5肥満・メタボリックシンドローム

脳卒中予防のため肥満の改善を考慮しても良い(推奨度C エビデンスレベル低)

メタボリックシンドロームに対しては、運動・食事療法による減量や内臓脂肪の軽減に努めると共に、脂質異常症、高血圧、糖尿病への薬物療法を考慮しても良い(推奨度C エビデンスレベル低)

メタボリックシンドロームは脳卒中発症の独立した危険因子である一方で、改善による脳卒中発症予防効果は充分に証明されてはいません😳

だからといって肥満を放置していいわけではありません‼️

BMIが5上昇する毎に脳卒中発症率は4%上昇するということが、97もの観察研究のメタ解析で判明しています。

健康的でかっこいいボディを手に入れたい人はこちらも見ていって下さい!メタボ(肥満)になるな!

6慢性腎臓病

慢性腎臓病患者において、慢性腎臓病と脳卒中発症予防には血圧の管理が重要です。

腎臓は身体の老廃物を尿として排泄する臓器です。腎臓が悪いと尿毒素という様々な老廃物がたまり、血管を内側から傷つけ、動脈硬化を進行させてしまうのです💦

なので腎臓の悪い人は血圧管理が重要です。慢性腎臓病で蛋白尿を認める場合は130/80mmHg未満が降圧目標となります。一方蛋白尿が陰性の人は厳格に降圧する事が心血管イベントの発症を抑制したというエビデンスがないため140/90mmHg未満が降圧目標となっています。

名もなき医師おすすめ簡単に出来る脳卒中を防ぐ習慣5選

脳卒中は発症してしまうと後遺症が残りやすいため残りの人生がハードモードになるだけでなく、家族にも苦労をかけることになります。またご家族が発症してしまっても自分が大変ですので絶対に予防すべきです😌

画像が生成されました

上記の危険因子を取り除くことが一番いいのですが、日々の生活で簡単に出来る予防法を5つ紹介しますので是非日常に取り入れてみてください✌️

1所要時間1分!血圧測定してスマホで管理

脳卒中はなんといっても血圧が最も重要なリスク因子です。これだけは避けて通れません🙄血圧管理のコツは塩分6g/日未満、野菜や果物の摂取です。

今あなたが健康なら130/80mmHg未満を目指しましょう。血圧計がなかったら購入してください。僕も毎日とは言いませんが、週に3回程度は血圧を測定するようにしています。スマホで記録できてグラフが出るので面白いんです!!

数値がみれるとゲームみたいで楽しくなりますよ。ドラクエとかポケモンみたいに自分がゲームの主人公と思えばいいんです。ただし数値が高くならないように気をつけてください🤣

2毎朝電車2本分の早起きをして歩こう!

朝少しだけ早起きして散歩してみませんか?少し家の周りをジョギングするのも良し、駅一つ分早く降りて勤務先まで歩くのも良しです😊

朝少しの早起きで軽い運動をすることで日光を浴びてセロトニンという幸せホルモンも産生されるので血圧の管理だけでなく人生の充実感も得られます✌️

僕自身も駅まで15分は歩きますし、電車に乗った後病院に着くまでは公園があるので毎朝緑を見てリフレッシュしています🌳

3寝る前はスマホを置いてしまおう!

寝不足と質の悪い睡眠は高血圧と動脈硬化のリスクを上げて脳卒中リスクを高めます⚠️スマホは寝不足の元なので寝床に入るとスマホはオフにして副交感神経を優位になるようにリラックスしましょう。

僕は寝る前に読書を取り入れるようにしています。寝る前に好きな本を読むことでリラックスできますし、寝る前に好きなことをすることで睡眠の質が保たれます😴

4禁煙しよう

喫煙は何度も言っていますが、百害あって一理なしです。一理くらいあるだろうと思った方!禁煙できませんよ😌

別に禁煙できなくても構わないという方は脳卒中だけでなく、心筋梗塞や糖尿病、肺がんを含めたたくさんの種類のがんなど様々な病気になるリスクは承知しておいてください。それでも禁煙しないという人がたくさんいることは僕も知っています😌

申し訳ないですが禁煙は簡単にできるとは言いません。禁煙の意思のある人はこちらを参照してください。健康を維持するために絶対にすべきこと1選!

5習慣化しよう

皆さん1-3の項目にあるもののうち、出来るものを実践してください。なんだ5つねえのかよ!と思ったあなた。他にも色々提案することはできますが、実践できなければ意味ありません。

1-3の項目を思い出してみてください。(喫煙者は禁煙もご検討ください)

3つとも思い出せた人は少ないのではないでしょうか?

血圧を測定する、少し早起きして運動、寝る前はスマホを置くでしたね🎶

とにかく実践しなければ今まで読んで頂いた項目も無駄になってしまうので一つでもいいので実践して習慣化しましょう😆

まとめ

今回は脳卒中診療ガイドライン2021(https://www.jsts.gr.jp/img/guideline2021_kaitei2023.pdf)を参考にした脳卒中の危険因子の解説から簡単に日常生活で取り入れられる生活習慣をご紹介いたしました。

これからも僕と一緒に健康な人生を手に入れましょう✨

本記事の内容は医療専門職としての知見に基づいていますが、すべての読者に当てはまるわけではありません。個別の診断や治療は、直接の診察に基づいて行われるべきです。

名もなき医師:日本救急医学会専門医 現在は整形外科に所属し救急と両立しながら奮闘中🔥

所属学会:日本救急医学会 日本整形外科学会 日本整形外傷学会

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