座っていると腰に拷問?

予防

皆さんこんにちは、名もなき医師です🧑‍⚕️腰痛もちの方とても多いですよね。整形外科の外来をしていても腰痛の患者さんはめっちゃいます💦

2022年の国民生活基礎調査では腰痛を訴えた人は男女合計で10.2%もいました。日本人の8割が一生のうちに腰痛を自覚するともいわれています。

腰痛の男性のイラスト

腰痛になると日常生活や趣味に制限がでたり、仕事で身体を使う人にとっては致命的になります。

そんなありふれた腰痛のリスク因子や腰痛を予防する方法を今回解説していきます✨

腰痛と関連する因子

座っていると腰に拷問?

腰痛の原因の解説の前に姿勢による腰への負担をみてみましょう🎶1999年にwilkeさんというドイツの整形外科医が発表した面白い研究があります💡

仰向けで寝ている時に腰椎(腰椎4-5番の椎間板内圧の相対値)への負担を1とすると、

姿勢の良い・姿勢の悪い椅子に座る男の子のイラスト

立っている(直立位)5.5

立って前かがみ約 7.0

椅子に座っている(直立)6.0

椅子に座って前かがみ8.0〜8.5

座って重いものを持つ11.0

という具合になっています。つまり立っている時より座っている方が腰に負担がかかることになります😌

座って前屈みで重いものを持つと寝ている時のなんと11倍も腰への負担は大きくなるということです。

腰痛の原因

腰痛の原因疾患は非常に多岐にわたります。その中でも圧倒的に多いとされている非特異的腰痛(原因が特定できないもの)ですが、非特異的であっても何かしらの原因はあると僕は考えています。

筋肉、骨、椎間関節、椎間板内圧の上昇、仙腸関節など他にも色々ありますが腰痛の原因はどこかしらにあるはずです。

しかし腰痛の中には原因がつきとめにくい疾患があります。レントゲンは骨しか情報がないですし、CTやMRIを撮像したとしても画像上わからない腰痛というのは一定数存在するのです。

その時は身体を触って痛いところを重点的にみるエコー検査が有用ですが、それが出来る医師は整形外科のみですし、整形外科医も時間不足などで全ての患者の腰痛の原因を突き止めることは出来ません🙄

つまり非特異的腰痛とはテキトーにつけられた診断であり、ほとんどの腰痛には何らかの原因はありますが現在の日本の医療事情的に全ての患者が最善の医療を受けられていないということです。

腰痛の病気や原因についてここで説明しても皆様が実践出来ることではないので、ここでは腰痛と関連があると言われる興味深い因子がいくつかありますのでそちらを見ていきましょう✨

腰痛と関連する因子

皆様の腰痛の原因をこの場で突き止めることは不可能ですので、腰痛診療ガイドライン2019から腰痛と関連している因子を紹介していきます。

腰痛と関連のあるものとして肥満、痩せすぎ、飲酒、喫煙、普段から運動をしない、心理社会的因子、職業が挙げられています😌

1.肥満

肥満患者が腰に負担がかかるのは身体を支える脊椎にかかる重力が大きくなるからです。さらにお腹の出た人は脊椎にかかる負担が大きくなります。

例えば重い荷物をわざわざ腕を広げて持つ人はいませんよね?😳しかし肥満体型の方は重たいお腹の脂肪を脊椎から離れた遠いところで支えなければなりません。

その分余計な負担が腰にかかることは明らかですよね?肥満であることが1秒毎にあなたの腰を蝕んでいると言っても過言ではありません🙄

2.やせすぎ

肥満はわかるけどやせすぎでも腰痛になりやすい?と疑問を持たれた方もいらっしゃると思います!

結論痩せていると筋肉や脂肪などの支持組織が少ないので荷重が脊椎、骨盤、椎間関節に集中してしまうので腰痛の原因になり得ます。

前屈みや腰を逸らすのにも筋肉が必要ですし、適度な脂肪はクッションになってくれているのです😊

その証拠に痩せた高齢者はお尻の出っ張ったところ(坐骨結節)が床ずれになりやすいです🧓

3.心理社会的因子

節酒や禁煙の話は普段から口を酸っぱく行っていますので今回は割愛します🤣

心理社会的因子として教育レベル、社会的身分、うつ、痛みに対する恐怖などが影響しているようです。

これを見ると思考回路が違うだけで腰痛になったりならなかったりする可能性があるということです。痛いと思えば悪循環で慢性腰痛というのは実際にあり得るんですよね😌

実際うつ状態の方はセロトニンの機能低下が起こり、痛みに対して過敏になることがあります。詳しくはセロトニンのブログ記事でも解説していますのでよければご覧ください♪『セロトニン』で日々を充実させる方法

4.職業

腰痛と関連の大きい職業として運輸、清掃、看護、介護が挙げられています。運輸は長時間の座位が、清掃は中腰、看護・介護は低い姿勢で高齢者を移乗させたりすることがそれぞれ腰痛の要因でしょう😳

トラックのドライバーのイラスト(女性)

さらに職場における心理社会的な予後不良因子として仕事に対する満足度の低さ、うつ状態、低い社交性、恐怖回避信念(理由もなくだんだん悪くなると解釈すること)も言われています‼️

仕事の満足度や社交性も腰痛に影響し得るというのは興味深いですよね🤔

今日から出来る腰痛を防ぐ5つの習慣

それではいよいよ日常生活で簡単に出来ちゃう腰痛予防5選を紹介します🔥現在腰痛が既にあるという方にも効果的ですので実践してみください✨

何を隠そう僕自身もすごい猫背で姿勢が悪いんです。だから腰痛にならないように日常生活で気をつけられる部分は気をつけています‼️

1.30分に一回は立ち上がる

こちらはデスクワークの方にオススメです。ずっと同じ姿勢だと腰へ負荷が集中し続けます。仕事をしているとある程度前屈みになるでしょうから、寝ている時の約8倍の負荷でしたね😌

僕自身外来診療の日は30分に1回は立ち上がって伸びをするようにしています。たった10秒ほどですが、腰への負荷を分散出来るのでやらない手はありません。

映画が終わった後や飛行機が着陸した時、立って伸びをしたら気持ち良くありませんか?😆30分に一回も立つと周りから不自然に思われるという方は1時間に1回でもいいので今日から始めてみましょう‼️

2.ストレッチ・筋トレ

先程太り過ぎも痩せすぎも良くないという話をしました。腰を守る、支えるためにインナーマッスルは大切です。そこで電車などでスマホをいじりながらでも出来る筋トレをお伝えします。

お腹周りに力を入れるだけです🎶その状態で胸を右や左に捻ることで腹直筋だけでなく、外腹斜筋、内腹斜筋も鍛えることができます。

捻るといっても他人からみてわかるほどは捻れませんので電車とかで立っている時にしても不自然ではありません🤣

3.呼吸瞑想

同じ姿勢を続けて筋肉が強張って💪硬くなると筋肉に行く血流が悪くなります。血管はゴムみたいなものなので硬いもので締め付けられるとぺしゃんとなってしまうのです💦

呼吸瞑想によりリラックスして副交感神経優位にすることで筋肉をやわらげ血流をよくします。

さらに瞑想をする時は自然と姿勢への意識が高まるので一石二鳥です🖐️

やり方は静かなところで腰に負担がないように寝転ぶか立つかして下さい。そして自分の心拍を感じて下さい。感じたら四拍分息を吸って四拍休憩します。この時心拍を感じやすいと思います。

その後8拍かけて息を吐いてください。自分の中の汚いものを出すイメージをもつと尚良しです👌

心拍は人によって速さが異なるので自分の心地良い回数で🆗です‼️3拍でも5拍でも良いように調節して下さい。

これを何セットするか決めてやるといいです。オススメは4セット✖️4くらいですね。数える数字が中途半端で集中出来て雑念が入りにくいからです。

実際に呼吸瞑想が慢性腰痛に効くというエビデンスもあります✨

4.しゃがむ時は膝から

しゃがんで重いものを持ち上げる時に腰から折り曲げていくと腰への負担が集中します。また椎間板が後方に飛び出しやすくなり、いわゆる腰椎椎間板ヘルニアのリスクが上がります🥲

一方で膝からしゃがむようにすると股関節や大腿四頭筋など股関節周りの筋肉に荷重を分散することが出来て腰への負担が減ります。

介護や看護など人をちょっと持ち上げたり移動させたりする必要がある方々も膝の力も借りて力を加えると腰への負担が和らぎますよ✨

5.椅子には深く腰掛ける

椅子に浅く座ってしまうと骨盤が後ろに傾きやすく、背中が丸まって猫背になり腰への負担が増加します。

深く腰掛けることで骨盤が立つので自然な背骨のカーブが保たれて負担がかかりにくくなります。さらに背もたれの支えも使えるので長時間座っていても筋肉が疲れにくいです。⚠️ただし背もたれにだらっともたれかかるのはNGです❌

膝の角度は90度くらいで高すぎたり、低すぎない椅子の高さに調節しましょう✨

まとめ

今回は腰に負担がかかる姿勢や腰痛に関わる因子を解説しました。最後に紹介した5つの腰痛予防方法ですが、自分に合ったものから一つでも多く実践頂くことが、腰痛を予防もしくは改善することにつながります。

5つの予防方法をスマホの待受画面にする、紙に書いてトイレに貼るなどして腰痛を予防しましょう🤣

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