病院に行くか迷う時はどうする?医師が教える受診の目安

健康

皆さんこんにちは、名もなき医師です🧑‍⚕️自身や御家族、子供さんに何かしらの症状が出た時に病院や診療所を受診した方がいいのかそれとも家で様子を見ていていいのか迷った経験はありませんか?

「これくらいで病院受診をしていいのか?」「忙しいから出来れば時間が取られるのは避けたいけどどうしよう?」などと悩まれたことのある人は是非本記事を参考にして下さい。

今回は僕自身の救急専門医としての経験をもとに「病院に行くべきか迷った時に使える受診の目安」をわかりやすく解説していこうと思います✨時間がないという人は最後のチェックリストだけでも読んでいって下さい🥺

いざという時にあなたや大切な人の健康を守る手助けになれば幸いです‼️

受診を急ぐべき症状とは?

最初に見ていくのは受診を急ぐサインからです。救急で患者さんが来られた時は生命に直結するABCDEという項目から医師は解決していきます。

病院の待合室のイラスト

逆に言うとこれらに異常がある時は即病院受診、もしくは救急車が必要ということになります💦

ではABCDEとは一体なんなのでしょうか?😳

Aは気道(Airway)、Bは呼吸(Breathing)、Cは循環(Circulation)、Dは意識レベル(Disability)、Eは身体の露出(Exposure)と体温調節(environment)になります。

正直よくわからないと思いますのでそれぞれわかりやすく説明していきます。

A気道(Airway)

気道とは空気の通り道のことで気道の異常はとても急な対応を要します。皆さんはどれくらい息を止めることができますか?

多くの人は1分くらい息を止めたらめちゃくちゃしんどいですよね?脳は酸素がいかないと3-5分で細胞が死んでしまいます😳10分窒息すると通常死亡に至ります。

食事やモノを詰まらせる高齢者や子供は多いです。僕の祖父もミートボールの窒息で命を落としてしまいました😢

ものを詰まらせる以外でも、喉頭蓋炎や扁桃周囲膿瘍といった上気道の感染症でも息の通り道が塞がってくることがありますので、唾が飲み込めなくて涎が出るといった症状が出たら救急受診が必要です。

B呼吸(Breathing)

次は呼吸ですが、多いのは肺や心臓の異常です。新型コロナウイルスでSpO2という動脈血酸素飽和度が世間でも有名になりました。呼吸の回数が極端に速くなったり遅くなったりした時や高齢者ではSpO2が90%、若い人なら95%以下になると危険な信号です。

若年者では肺炎・気管支喘息・気胸、高齢者では心不全や慢性閉塞性肺疾患などが呼吸に異常を来すことが多い疾患です。簡単に言えば「ゼーハーゼーハー」「ヒューヒュー」していたら救急で受診する必要があります。

C循環(Circulation)

循環の異常とは救急分野ではショック(臓器に酸素を供給できず機能不全になる状態)という言葉が使われます。身体に現れるサインとしては正常な心拍数は60-100回/分ですが、これを大きく逸脱したり、それに伴い血圧が低下するようになってきます。

どんな時にショックになるの?と言われると感染症・出血・心臓発作・アナフィラキシーなどです。他にも原因は様々ありますが胸がドキドキする、血圧が低いもしくは高すぎてフラフラめまいがする、脱水でおしっこが全然出ないような時は受診するようにしましょう💦

D意識(Disability)

意識に異常を来す疾患は上げるとキリがないくらい果てしなく存在します。頭蓋内の疾患だけでなく、感染症や熱中症なども重度になると意識の障害が出てくるからです。

呼びかけに反応が悪い、ぼーっとしていて会話が成り立たない、家族さんから見てなんか普段と違う感じがするといった時は病院を受診するようにしましょう🫡

E身体の露出(Exposure)と体温調節(Environment)

身体の露出(Exposure)の異常は見た目にわかるものです。明らかな怪我や発疹などです。これは視覚的にわかりやすいですが、一つ申し上げておくと擦過傷などの擦り傷であれば家で水道水で流しておけばきれいに治ります。

しかし挫創というぱっくり切れている傷は縫合する必要がありますので受診が必要です。皮膚は内部を守るバリアですので細菌が侵入するのを防ぐためになるべく早く受診しましょう‼️

体温調節(Environment)については35度以下の低体温や39度以上の高熱では医療機関受診を推奨します。体温異常においては高齢者や子供では意識の障害を伴いやすいのでその時は何度であれ受診が必要です。

僕自身は小学生の時に冬に33.4度の低体温になりましたが保健室で温まると復活したという経験があります🤣

病院に行っても温めるだけといえばそれだけなのですが低体温症では不整脈が出やすかったり、重度の低体温の時は血管内にカテーテルを入れて血液から加温するということもありますのでこちらも温められる環境になかったり、意識の異常を伴った時は救急受診するようにしましょう✋

これくらいなら家で様子見OK!

しんどい時は病院受診するのもしんどいですよね?🙄体調が悪い中で時間とお金を使って得られることが少なければ、『家で様子を見ていれば良かった〜』なんてこともあると思います。

ベッドで寝る人のイラスト(女性)

そんな時これくらいだったらお家で休んでいれば大丈夫!という基準を救急医の目線で伝えていきます。

もちろん自分がどんな状態かわからなくて不安が強いという人は受診されるのも選択肢だと思います✋

A気道(Airway)

しっかりと声が出て会話出来ていれば大丈夫です😌風邪の時は声が掠れることはありますが、喉が痛くても飲み物が飲み込めていれば気道の問題はクリアなのでお家で様子見OKということになります。

B呼吸(Breathing)

息苦しさがなく、普段通り会話が可能であれば受診せず自宅療養でOKになります。休憩していると落ち着くが、少し動くと息苦しいといった症状は若くて元気な人なら自宅でOKですが、小児や高齢者や持病を持っている方は病院受診を考慮していいでしょう。

C循環(Circulation)

めまいや立ちくらみがある場合は黄色信号ですが、手足が温かく(敗血症はひどくても温かい時があります)、脈も普段通り(動悸やドクンという感じがない)であれば自宅療養で構いません。

D意識(Disability)

普段通りで会話が出来ればもちろん様子見可です。また少しぼんやりしていても、食事や水分で改善すれば自宅で過ごされてOKです。

E身体の露出(Exposure)と体温調節(Environment)

発熱があっても活気があって水分が取れていれば自宅療養でOKです。怪我の方は擦過傷(擦り傷)であれば洗っていればOKで、骨が変形したり明らかに腫れていたり、パックリとした傷があれば受診が必要になります。

微妙な時に使えるチェックリスト

病院受診をしようか迷った時の簡単なチェックリストを作りました。

これまでのまとめになりますが、時間がない人や読むのがめんどくさいという人はここだけでも読んで是非参考にしてみてください😆

◻️しっかり声が出て会話するのに苦痛を感じない

◻️会話や少し歩いた程度では息が苦しくない

◻️手足が温かく動悸もない

◻️体温が35〜39度の間で意識がしっかりしている

◻️現在の自分の状態にそれほど不安を感じない

◻️擦り傷程度はあるが、打撲した関節や筋肉を動かしてもさほど痛くない

全てチェックがついた場合は家で様子見でもいいと思います✨逆に一つでもチェックがつかなければ受診を推奨します。自分だけでなく御高齢の両親もしくは子供にも当てはまるので是非ご活用ください。

よくある風邪症候群では病院に来て頂いても特効薬がなくそれぞれの症状への対応になります。風邪症候群については以前の記事でも記載していますので興味があればご覧ください!かぜを引いた時に抗生物質は必要?

飲んでも飲まなくても数日後には治るので御家族にドラッグストアでロキソニンでもイブプロフェンでも買って来てもらって飲んでいれば時間と診察代を失わずにすみます😌

一度でお伝え出来る量も限られていますので今回はこれで終わりにしようと思います。今回のチェックリストはあくまで僕個人の考えなので不安に思った時は医療機関を受診しましょう‼️

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