皆さんこんにちわ名もなき医師です🧑⚕️肩こりや頭痛に悩まされている人は多いのではないでしょうか?今日はそんな皆様の肩こりや肩こりからくる頭痛の原因と解決策を整形外科的な観点から解決できるように頑張りますので是非ご覧ください✨

なぜ肩こりは首から?
肩こりのメカニズム
肩こりがなぜ首からきていると言えるのでしょうか?うつむきの姿勢が続くと首の深いところの筋肉と肩甲体の筋肉が疲れて頭を支え続けられなくなります。
猫背や首が前に出ている方はこういった肩こりの症状が出やすいです。

なぜかというと例えばあなたが2Lのペットボトルを持つ時を想像してみてください。わざわざ腕を広げて持つ人はいませんよね?🤣普通は腕を下ろして太ももの横くらいで持つはずです!
腕を広げて持つとテコの原理で腕の長さ分だけ支点(肩)からの距離が増えて必要な力が大きくなってしまいます💦
つまり首が前に出ている人も同じことで人の頭部の重さは大体5kgなのでそれだけの重さを首や肩周りの筋肉で代償しないといけません。それが肩こりのメカニズムです😌
スマホで肩こり増悪?
現代人はスマホ操作で大体頭が30〜45度うつむきになります。
これは一体どのくらい首に負担をかけているのでしょうか?
2014年にニューヨークの脊椎外科医が行った力学モデル研究があります。*参考文献【1】
人の頭部の重さは成人で概ね約10〜12lb(ポンド)、つまり4.5-5.5kgほどです。ここからは分かりやすくkgで表記していきます✨
正しい姿勢の時頚椎(首の骨)への負担は4.5-5.5kgです。
うつむき角度が上がっていくと頚椎への負担はどんどん増加していきます😱
15度で約12.3kg、30度で約18.2kg、45度で約22.2kg、60度で約27.2kgになります。

つまりスマホ操作で皆さんの頚椎にはおおよそ18-22kgもの力がかかっているのです🙄その力を何で支えているかというと僧帽筋や肩甲挙筋、頭板状筋といった肩や首周りの筋肉になるのです。
先程のテコの原理を思い出してください!首を支えるために僧帽筋や肩甲挙筋、頭板状筋といった筋肉が頑張るのは、腕を広げてペットボトルを支えているようなものなのです。
治すなら早い方がいい
背中や腰がかなり曲がってしまい、押し車で歩行しているおばあさんを見かけたことはありませんか?昔はスマホなどはなかったかもしれませんが、圧迫骨折や猫背がひどくなりどんどん腰が曲がってしまう人もいるのです😭
そこまで曲がってしまうと首や肩や腰の色々な筋肉に負荷がかかりあちこちが痛いという状況に追い込まれてしまいます💦
治せるのは手術しかありませんが、高齢になってから脊椎の大手術をするのは全身への負担が強く中々現実的ではありませんし出来る医療機関も相当限られます。
そのためにも予防が大切であり、そこに達する前に未然に防ぐのが一番だと僕は思います🫡
ちなみに女性は骨粗鬆症で腰の圧迫骨折でも脊椎が曲がってしまうので気になる方はこちらの記事もご覧ください。骨折・骨粗鬆症を予防しよう
緊張型頭痛も肩こりから?
頭痛の一種である緊張型頭痛も肩こりから来ている可能性があります。もちろんストレスや睡眠不足など様々な要因があるので一概に言えるものではありませんが、肩こりを治すことで緊張型頭痛も軽快する可能性があるのです🎶

肩こり(首から肩の筋肉の過緊張)が痛みの入力信号となって頭痛の回路にノイズを流してしまうのです。そして筋肉からの痛みの信号が続くと中枢の痛覚経路が過敏状態となり、軽い刺激でも痛みが出たり慢性化してしまったりするのです💦
また肩こりが改善すればストレスが少なくなったり、睡眠の質も良くなったりするので緊張型頭痛が軽快する可能性があります✨
医師がお勧めする肩こりを治す方法3選
実は名もなき医師自身もかなりの猫背でした。どうしても改善したいと思い、色々と試して本当に良いと思ったものをご紹介します✨
スマホの持ち方を正す
先程説明した通りスマホは頚椎への負担を爆増させる要因です。スマホを見る時はなるべく下を見ないように画面を目線の高さにしましょう!
それだけで全然違うはずです。目線の高さで持っているとしんどいですよね?
なので片手でスマホ、もう片方の手でスマホを持っている方の肘あたりを支えてあげてください。
しんどくなったら反対に持ち替えるでOKです👍スマホの持ち方を改善するだけで頚椎にかかる負担を4〜5分の1に出来るのだから大したものです!シンプルですがとても良い方法です。
首の深層筋トレ
頭を後ろへ引く簡単なストレッチです。僧帽筋や肩甲挙筋などの過緊張を抑えるのが目的で痛みの軽減に有効です。*参考文献【2】
やり方は背筋を軽く伸ばして顎を突き出さず、喉を引き込むイメージで頭をまっすぐ後方へスライドします。3秒キープを10回ほど行います。1日に3セットくらいできると良いでしょう。
イメージがしにくい場合は壁に頭をつけて行うとフォームが安定します🎵
鏡をみてマイクロブレイク
最後は僕の考えた方法ですが、マイクロブレイクの際に鏡を見るというものです。
マイクロブレイク自体はずっと椅子に座っていると同じ姿勢で筋肉に持続的な負担がかかり血流が悪くなるので、20-30分ごとに少し立って伸びをしたりして休憩するというものです😁ちなみに集中力の回復やストレスの緩和といった効果もあります✨
ここからが僕の編み出した方法なのですが、まず僕は自宅のデスクはスタンディングデスクです。そして数メートル横に等身大の鏡をおいています。マイクロブレイクの際に鏡の自分をみて猫背になっていないかチェックしています。
スタンディングデスクである必要はありませんが、少し休憩する時に鏡を見て姿勢を正すことが大切です!
鏡に映る自分が猫背だと嫌だし、自然と姿勢を正そうと思えるのです。この時に先程紹介した首の筋トレを行っても良いでしょう。
職場などでは難しいかもしれませんが、自宅に鏡を用意して横から自分を見るというのは姿勢を正す良いきっかけになること間違いなしです😊
まとめ
本日は肩こりのメカニズムから、頭痛まで改善する可能性や現代人に多いスマホによる悪影響まで色々と解説しました。最後に名もなき医師が考える肩こりと猫背改善策をお示ししましたので、是非日常で実践して生涯ピンとした背筋を手に入れてくださいね✌️
参考文献:【1】Hansraj KK. Assessment of Stresses in the Cervical Spine Caused by Posture and Position of the Head. Surgical Technology International. 2014;25:277–279.
【2】Blanpied PR, et al. Neck Pain: Clinical Practice Guidelines (Revision 2017)
最終更新日:2025/08/17
本記事の内容は医療専門職としての知見に基づいていますが、すべての読者に当てはまるわけではありません。個別の診断や治療は、直接の診察に基づいて行われるべきです。
鈴木智成(名もなき医師):日本救急医学会専門医 現在は整形外科に所属し救急と両立しながら奮闘中🔥
所属学会:日本救急医学会 日本整形外科学会 日本整形外傷学会